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2009年03月25日(水)

春ですから。 

シアター・イメージフォーラムWE ARE THE PINK SCHOOL!に行ってきました。まあ、早い話がピンク映画特集ですね。
しばらく前から気になってはいたんですが、ずるずる先延ばしにしているうちに気がつけば公開最終日。なんとなく、この機会を逃したらとても後悔しそうな気がしたので、意を決して劇場に足を運びました。これでも私、ピンク映画を観るのに意を決す必要があるくらいにはピュアでクリーンですから。ホントだってば。
というか、実のところこれまでにポルノとして知れている作品を観たことはほとんどなかったりします。キャンディ [DVD]レディ・チャタレー ヘア無修正完全版 [DVD]くらいでしょうか。邦画の成人向け作品は、全くノーチェックでした。単なるR-18とは、全然別モンなのでしょうし。

深海魚の一番のお目当ては神田川淫乱戦争 [DVD]でした。ところが、よくプログラムを見たら、最終日には上映してないじゃありませんか。黒沢清監督で、若かりしころの森達也が出演してるっていうのに…!
というわけで、いきなり観る気をなくしかけたのですが、せっかく来たのにもったいない!と、自分を奮い起たせて中に入りました。ついでに心には生えてるかもしれないブツも奮い勃たせ…いや、何でもない。

【More・・・】

■演目は『ラビットセックス 女子学生集団暴行』と『制服監禁暴行』。ちなみに、2作ともタイトルは激しく「釣り」です。題名から受けるイメージどおりのものを期待していると、いろいろとへし折られます。ナニを、とは申しませんが。
パンフレットによれば、ピンク映画は若手の作り手にとっては登竜門的な存在だったそうです。もちろん濡れ場が要求されるという制限はあるのだけれど、逆にいえばそれさえ満たしてしまえば後はかなり自由な表現が許されたので、実験的な作品も作ることができたのだとか。確かにそうなんだろうな、と観ていても思いました。もちろん、そういう側面の強い作品を選んで上映している、ということもあるのでしょうが。だって「SCHOOL」だもんね。

■1本目は70年代の作品です。受験を控えた女子高生が、お金と目先の生活のことばかり考えている無味乾燥な両親に反発し、マンションの屋上で出会った浪人生の男のコをきっかけにセックスと若者文化に目覚めていく、という筋書き。こう表現してしまっていいのかわかりませんが、正統派な成長譚、というか青春モノだと思いました。
2本目は80年代。エロあり、笑いありアクションありの探偵ものです。1作目は時代的な隔たりを強く感じてしまいましたが、こちらは冒頭部分で私にとっては馴染みぶかい竹下通りが舞台になっていたために、親近感をおぼえてスッと作品に入っていけました。もっとも私自身は、ホコ天がなくなってイキがった青少年の溜り場が原宿から渋谷に移り、やがてそれすらも一般化して、「シブヤの女子高生」が地方出身者やよっぽど生真面目に育ったコに対して以外はハッタリにもならなくなった以降に渋谷と原宿をうろつくようになった世代なので、やっぱり時代の隔たりはあるのですが。それでも、知っている景色というのは大きいのだなと。あ、あとカレンちゃん(ヒロイン)最高!

■興味深いな、と思ったのはどちらの作品にも女のコ/若者が両親/良識的な大人社会に反発する、というのが重要な題材として取り扱われていたことです。もちろん、セットで上映するんだからテーマを揃えるのは当たり前なんですが、面白かったのは反発の仕方の違いです。
前者では主人公と浪人生のセックスを目撃として「なんて不純」とお説教してくるおばさんを仕返しで集団暴行し、物分りよさ気な言葉で懐柔してくるおっさんの車をのっとって暴れまわります。まさにセックス・ドラッグ・ロックンロールそして暴力の世界。原動力になっているのは、純粋さゆえの怒りとやり場のない衝動です。大人たちや世間への苛立ちが大上段で語られ、それが行動の正当化になる、という仕立てになっています。やつらは汚い、俺たち(あたしたち)はやつらとは違う、もっと「本物」の生を謳歌するんだ!
一方、後者では登場人物たちのふるまいはずっと軽やかになっています。家出してデザイナーズ・ブランドのお洋服に身を包み、竹下通りを闊歩して、お金がなければ性を売り物にすればいい。別に悲壮な物語とか、本当は純粋な心を持っているとか、そんなのは必要ないのです。そんなのは過激なパフォーマンスと同じで、「売れる」ための演出の一環でしかありません。みんな、わかってやっているのです。主人公の探偵はそんな世相についていけないと肩をすくめますが、彼は「絵に描いたようなハード・ボイルド」として戯画的に表現されています。
そんな二者のちがいが、「70年代の空気」と「80年代の空気」として、そのどちらをも体感しえない私のような世代に語り継がれているものとあまりにもぴたりと一致するので、なんだか面白かったのでした。それぞれの時代の雰囲気(として、後から発見されたもの)をよく現しているとされる作品が後世に残りやすく、またこうした企画でも取り上げられやすいという点を差し引いても、私が今までに観たそう多くない70年代/80年代の邦画とも共通した傾向です。安易な世代論は好きじゃないけど、やっぱり「時代の空気」って、あるんでしょうね。

■え、肝心のエロシーンについての感想がないのは何でかって?何も語らないことがもっとも雄弁に何かを物語ることもあると思うが故ですが、何か。

へびあし

後輩(♀):「私、映画って全然わからないんですよ。友だちが洋画…っていうか、ハリウッド好きなんで、そういうのを一緒に観るくらいで」
私:「あたしも全然わかんないよー。小さい映画館しかいかないから流行りの作品とか観てないし、劇場で観るから新作ばっかりで、昔の名作とかも全然」
後輩:「でも単館系とかはご覧になるんですよね?私、せっかく18超えたんだから18禁とかも観たいなって思うんです。あ、でもグロとかはイヤなんで、グロくないやつで…」

R-18 - グロ = エロ
観たいというなら面白そうなのを探して連れていくのにやぶさかじゃあありませんが、それを真っ先に私に要求するって、君は私を何だと思っておいでだね。

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テーマ : 映画館で観た映画 - ジャンル : 映画

タグ : 映画評 ピンク映画

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