2008年05月06日(火)
サブタイトルがかっこつけすぎてる本
![]() | ALS 不動の身体と息する機械 (2004/11) 立岩 真也 商品詳細を見る |
ちょうど探していたところだったので、これさいわいと手に取りました。立岩さんの本は読みにくいという先入観があったのでかなり心の準備をしていたのですが、開いてみてびっくりです。よ、読みやすい…!日本語で書かれてますよこれ。和訳(笑)しなくても読めますよ。すごーい。
…えーと、すいません。怒らないでくださいファンの方。
【More・・・】
冗談はおいときまして。私的所有論、弱くある自由へ―自己決定・介護・生死の技術、自由の平等―簡単で別な姿の世界などで繰り返ししめされている著者の問題意識の根にあるものが、本書には書かれています。ALS(筋萎縮性側索硬化症)をわずらう/とともに生きる当事者とかれらをとりまく家族・医療者の語りを引用しながらつむがれる文章は、著者がなぜ重い病気/障害をかかえる人々を「例外」とせず、かれらを包摂するかたちで所有と分配の理論を組み立てようとしてきたのか、明らかにしてくれることでしょう。根底にあるのは、生き延びることをささえること。モノがなかったり、人手がなかったりして死んでしまったり、生きるための手段でしかないはずの「能力」や「自己決定」をする力が生きる価値の有無を決めるものであるかのように転倒しているために「私は生きるに値しない、死んだほうがマシだ」と思いこんでしまうことがないように、人を生の側に引きよせていくことです。そのためなら著者は、「中立」性や規範を語ることへの抑制といった社会学者らしい手法から外れることもいといません。
すらすらと読めるうえに立岩さんの思想と理論への入門書にもなるので、はじめて彼の本を読む人にはオススメです。去年授業で安楽死/尊厳死に関するチームを組んだとき、話を進めやすくするためにメンバーに「弱くある自由へ―自己決定・介護・生死の技術読んどいてね★」とお願いしたら、本当に読んできてくれた心のやさしい方から「むずかしかった…」とめちゃめちゃぐったりした顔で言われたことがあったのですが、今思えばこっちをみんなで読めばよかったなと。弱くある自由へ―自己決定・介護・生死の技術のほうは、かなり文にくせがあるので。
しかしどうしてこの本だけがこんなに読みやすいかというと、取り扱っている話題がせまいのもありますが一番の理由は引用が大半で著者が書いてる部分が少ないから、としか思えないんですよね。引用が多いほど読みやすいという、普通逆だろ!と言いたくなるようなことになっているあたり、この人らしいといえばらしい話ではあります。
オススメ度:★★★★★
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