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2006年05月04日(木)

小娘、体罰を語る (別題:ゴメンよ友人) 

■「戸塚ヨットスクール」の戸塚氏が釈放されましたね。
毎日新聞:戸塚校長:刑期終え出所 「体罰は教育」と今後も活動

ご自分の責任は故意ではなくて過失だとかわけのわからんことをおっしゃってますが、どこの世界に「わざとでなく」人を殴る人間がいるんですか。殴ったけど殺すつもりはなかった?でも死んじゃった?日本の刑法じゃそれを傷害致死っていうんです。
(参考:傷害罪 - Wikipedia
傷害致死罪
身体を傷害し、よって人を死亡させた場合には傷害致死罪となる(刑法205条)。法定刑は3年以上の有期懲役。 死の結果について故意がない点で殺人罪と異なり、傷害の故意(前述のように暴行の故意を含む)がある点で過失致死罪と異なる。)
殴ったのは別の人間で戸塚さんは適切に監督しなかっただけ、というのなら話は別ですが、彼の発言見てる限りでは自分で殴ってるよねえ。勘違いだったらすみません。

彼が有罪判決を受けたのは監禁致死罪でした。申し訳ない。

深海魚は最近忙しさにかまけてニュースに対するアンテナが極度に鈍っていたので、Mixiで知り合いがこれを取り上げるまで戸塚氏が釈放されたことすら知りませんでした。教えてくれた彼に感謝。
ところが実は、その友人の見解にはあまり賛成できなかったりする。ちょっと心中複雑すぎて何を言っていいかわからなかったので今までまとまった発言はしていなかったのですが、何とか整理できたのでここで文字にしておきます。
なので、決してせっかくのゴールデンウィークにどこにも行けなくなった腹いせに友達にいちゃもんつけているわけではない・・・とも言い切れないところがありますが。まあ許せ。

【More・・・】

■お友達の意見はSNSの中のものなので転載するわけにはいかないので(ちなみに深海魚のこのブログはMixiと外部共用です)、大雑把に要約してみます。
「最近の若者は礼儀やしつけなどの面で堕落してきていると思う。それは教育者のしつけがなっていないから。日本には欧米型の教育はあわない。ある程度の体罰は必要だ。無論過剰な暴力はしつけではないから、戸塚さんのセオリーは尊重しても罪は憎んでいるけれど。」
こんな感じかな。

これに深海魚が疑問を感じたところは大きく2つです。
1.本当に若者は堕落しているのか
2.しているとしたら、それは体罰によって解決できるという根拠はあるのか

1については、外形的に現れている礼儀が昔と比べて良くなっているか悪くなっているかは調査者の主観になってしまって論じにくいですが、若者の道徳意識について調査した資料を見つけたのであげてみます。
若者の現代社会へのスタンス -若者ライフスタイル分析 2005→2006
書籍だったら検証・若者の変貌―失われた10年の後に 浅野 智彦 (編集)なんてのもあります。道徳意識については、第6章ね。
少なくとも現代の若者の道徳意識が低い、なんてことはないようです。それが外に現れた礼儀というものが大きく後退するとも思えない。

そして2。100歩譲って、若者の礼儀やらしつけが悪くなっていると仮定しましょう。
それでは体罰を受けて育った子供はそういった振る舞いをしなくなるのでしょうか。逆に暴力を覚えてしまって粗暴になったり、周囲の大人にトラウマを持ってしまったり、あるいは罰を与える人間から隠れて無礼な行いやだらしない行いをするようになるだけという心配はないのでしょうか。あるいは教育する側が感情的になって必要以上の体罰(それは逆効果であるどころかもはや虐待です)を加えてしまったりはしないのでしょうか。
もし本当に子供がだらしなくなっているとしたらそれは教育者がきちんとしつけられていないんでしょうから、そんなまともにしつけも出来ない「だらしない」教育者が今あげたような弊害を起こさずにきちんと効果的に体罰を利用できるとはとても思えないんですが。現実に、今まで不適切な体罰が問題となった例はいくらでもあります。
そもそも十分に言葉が理解できる年齢の児童・生徒に対しての体罰の是非やその効果は、教育者の間でも意見が別れています。体罰を行わない人っていうのは決して「報復されるのが怖いからビビッて」そうしているわけではないのよ。

さて、深海魚は安易に「近頃の若者は・・・」という議論に組するのは危険なことではないかと思っています。というのも「若者は堕落している。それは教育が悪い・甘いせいだ」という言説はそのまま昨今の「教育基本法を改正しろ」とか叫ぶ人たちにつながりかねないんですよ。
まずいったいどう堕落したというのか。それは本当に教育のせいなのか。あなたたちが言うような改革で解決できるのか。そういった疑問に一つも答えもせず挙句の果てに「青少年の凶悪犯罪が歴史上類を見ない勢いで増えている」なんてデマを流して(デマです。参考:第2回 キレやすいのは誰だ -反社会学講座)、それをあたかも子供に厳しくし、「愛国心」やら「公徳」やらを植え付ければ全部解決すると言い張るような意見がまことしやかに信じられてしまうのは、こういう「なんとなく若者が悪いっぽい、教育がダメらしい」というムードが根底にあるわけです。それってどうなのよ、と。もちろん思ったことを言うのは全然かまわないんだけど、ちゃんと調べようよ、とね。

正直、今の若者の実情を体感できない上の世代が誤解を抱いてしまうのは仕方ない面があるのかもしれない。
けれど、そのいわれなき非難を受けているのは私たちなわけです。ごく少数の(そしておそらくいつの時代にも存在した)反社会的な人間と十把一からげにされて※1世代全員が劣化しているとか危険であるかのように批判され、挙句の果てにあいつらぶん殴られなきゃダメだとか好き勝手言われているのは私たちなんですよ。「それは違うぞ」と私たちが言わなくて、誰が言う。
※1 ここでは語りませんが、私は既存の道徳観念や社会通念に反発するような「反社会的」なあり方を全否定するつもりはありません。念のため。

巷に溢れる「それってどーよ」と言いたくなってしまう若者論についてはコチラのブログ様が詳しくまとめられています↓
新・後藤和智事務所 ~若者報道から見た日本~


ここまでが建前。もしくは一般論。
こういうとそんな攻撃的な一般論があるかあ!と怒られてしまいそうですが、社会全般とか若者全体という視点から語っているという意味での一般論ととらえてください。「本音・個別論」に当たる部分は次回に続きます。

↓ほとんど体罰を語ってなくないか?と首をかしげるあなたはコチラ
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