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2006年03月18日(土)

書は捨てない、町へも出ない 

■いつものごとく更新が滞っている深海魚です。こんばんわ。

■実は現在、私の子供のころからの持病である活字中毒がバリバリ再燃していまして、とにかく本を買いまくれ、読みまくれとやらずにはいられない感じです。

そんなわけで、渋谷のブックファーストで一気に1万円分ほど本を買い込んできました。
付き合ってくれた友人(というより、深海魚が例によって本屋の場所を忘れてしまったので案内してもらった)をほったらかしにして目を輝かせて社会がどうとかの書籍をあさりまくる私。しかも、その友人に勢い余って読書とはなんぞやとか議論を吹っかけそうになる私。

・・・うーわ、われながら気持ち悪いなあ。でもまあ、たぶん一過性なんで許してください。

というわけで、一気にまとめてブックレビュー!
量があるので、書名・著者名を最初にすべて書いておいて、読み終わったものから順次太字・斜体に直し、簡単なコメントとオススメ度をつけていこうと思います。そして、全部評価した時点で「今夜の謂いたい放題」の書評コーナーに追加されます。

↓それじゃ、どうぞ

【More・・・】

(1)『「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔』森達也
オウム真理教を撮ったドキュメンタリー映画『A』のメイキングを記した一冊です。
実は私はこれを映画の文章化作品だとばかり思っていて、映像を観ていないのにメイキングを見てしまうという愚を犯したのですが、これ一冊でも十分にひとつの作品として成り立っています。
けれど、読み終わってからは映画が観たくて観たくて仕方なくなりました。チキショウやられた、そういう商業戦略か。悔しさに唇をかみ締めつつ、夜が明けたらDVDを注文しにいこうと思います。
地下鉄サリン事件から10年以上がたち、麻原被告の1審死刑判決や精神鑑定の実施などの節目はあったもののすでに忘れ去られようとしている感はありますが、逆に10年たった今だからこそ見えてくることもあるはず。そういう意味で、映画とあわせて推薦しておきます。
・・・関係ないけど、この人の書く日本語好きだ。深海魚の脳内リズムにマッチしてて、すごく読みやすい。
オススメ度:★★★★☆

(2)『すごい生き方』雨宮処凛
深海魚には読書のタブーというのがありまして、それは1に自己啓発、2に自傷・自殺・精神系なのですが(ちなみに3位は『話題の純愛』)、それを両方とも兼ね備えていてももしかして雨宮さんならば私好みに料理してくれるかもしれないという淡い期待で購入しました。
で、読破。
曰く、有効な自殺防止グッズは国民年金と押入れの中の恥ずかしい日記だ。
曰く、どうせ社会に不満を感じてひきこもるのならば、その不満を横断幕に書いて窓からたらして「立てこもり」になれ。
とまあ、部分部分は面白いのですが、全体を通して無理やりな美談に仕立ててしまっているところがどうも私的にはいまひとつです。もっと明確なテーマと、シニカルな笑いがほしいと思いました。
あ、でも「立てこもり」は私も推奨。自分を責めて自殺するくらいなら全部社会のせいにしてしまえ。
オススメ度:★★☆☆☆

(3)『あなた自身を冷凍保存する方法―一度は試してみたいお役立ち200の方法』ライフサポートネットワーク
最近流行(?)の、「いったいこれどこで使えってんだよw」といいたくなる実用書。こういうのが楽しく感じるということは、きっと雑学や豆知識を蓄えたくなるのは人間の本性なんでしょうね。
小難しい本ばかり読んで、めんどくさいことばかり考えて、いい加減頭がゆだってきたときにオススメの一冊。頭が小難しいモードのままで大真面目に読んでしまうと、さらにヨシです。
オススメ度:★★★★☆

(4)『波状言論S改―社会学・メタゲーム・自由』東浩紀・他
実はこれが8冊の中で最後に読んだものです(その前は8番の本)
社会学の素養のない深海魚の知識では
東浩紀氏→オタク研究とかやってる人
宮台真司氏→援交少女の研究とかしてた。最初に文章読んだのは桜井亜美の小説の解説
北田暁大氏→東大の先生。林道義氏となんかぶつかってた。
大澤真幸氏・鈴木謙介氏→すいませんどちらさまでしたっけ
まあ、こういう状況なのであんまり詳しい感想は書けないんですけども。面白かったです。最後に読む本としてふさわしかった。
オススメ度:★★★★☆

(5)『「感動」禁止!―「涙」を消費する人びと』八柏龍紀
近年の「感動」の画一化・商品化は団塊世代の若いころにあった「祭り」の場が失われ、それに変わるものが商業利用されたものしかなくなったからだという論を展開しています。そこかしこに森達也氏の影響が見え隠れするような気がするのは、きっと私の気のせい。
語り出しはユニークでいいなと思ったのですが、どうもこの著者さん、表面的なもの―端的に言えばファッションなどを敵視しすぎているように思えます。ファッションやブランドがわずかな見た目の違いだけで個性を出そうとする風潮に一役買っているのは確かですが、だからといって服にこだわる若者が物を考えないとか服以外の個性を見出さないとか、そんなこたあないわけで。「ファッション」=「表層的」「思想性がない」という方程式にはめ込んでしまうのもまた、記号化された感動と同じくらいに凝り固まっていると思うのですが。
熱くなりすぎました。まあ、結局は「近頃ノ若イヤツハ」論に落ち着いてしまっているところが残念です。
オススメ度:★★☆☆☆


ここからはちょっとジェンダーフリーについて勉強したかったのですが、ネット上の文献だけでは限界を感じたので読んだ本たちを取り上げています。どうしてもツッコミどころを探したり他の本と比較しながら読んでしまうので、純粋に書物としては楽しめていない面があるかもしれません。

(6)『男女平等バカ―年間10兆円の血税をたれ流す、“男女共同参画”の怖い話!』野村旗守・他
各著者の問題提起にはうなずけるところもあるのですが、どうも彼らと私は結論が一致しないようです。
いくつか(ていうか、たくさん)事実関係でツッコミを入れたい部分もあるのですが、この本はそもそも「ジェンダーフリーはモテない女のヒガミである」と「決め付けた」ところから始まったと著者自ら明言していますので、それに対して「それは事実に反する、キメツケだ!」と突っかかるほど馬鹿なことはないわけで。
ここは好きなだけ決め付けていただきましょう。この国には表現の自由があります。告発も揶揄も、立派な表現行為です。それに対して深海魚が「総論賛成各論反対」ならぬ「総論反対各論賛成」になってしまうのはきっと私がサヨクでフェミシンパだからなんでしょう。も、じゃんじゃん決め付けちゃって。
ちなみに最終章の『ブレンダと呼ばれた少年』に関する山本彰氏の文章(p166~)を読むときはmacska dot orgサマのコチラコチラもあわせてご覧になると彼がしたと称するダイアモンド博士への「取材」の別の側面がうかがえてにんまりできます。取材と誘導尋問は紙一重。
まじめな告発本として読むにしろ、スキャンダリスティックな「ネタ」本として読むにしろ、詰めの甘さが否めません。
オススメ度:★★☆☆☆

(7)『家族を蔑(さげす)む人々 フェミニズムへの理論的批判』林道義
荒川区男女共同参画社会問題で北田暁大氏とオンライン論争を繰り広げていた林道義氏の著作。ちなみにそのときのWeb上のお2人の呼び名「ギョーダイ」「ドーギタン」というのがいまだに頭に染み付いていて、お名前が素直に読めません。
で、感想ですが、うーん。なんというか、本当に、うーん。
例えば男女共同参画局の働く女性と出生率のグラフに欺瞞がある、とかそういうところは面白かったんですけども。
ランドセルの色を強制することが問題なのではない、男女で色の逆転が見られることが問題なんだ!←そんなん別によくない?
行き過ぎたジェンフリがいけないのではない、そういった方針そのものがいけないのだ!←その割には「行き過ぎ(しかも誤解・曲解多数)」のお話しかしていらっしゃいませんが。
フェミニズムは宣伝手法が北朝鮮的だから北朝鮮勢力だ!←おちつけ
とまあ、突っ込みどころもたくさんみられます。とはいえ、反対する立場の者も理論的に批判していこうとする姿勢自体は嫌いじゃない。
オススメ度:★★★☆☆

(8)『ジェンダー・フリー・トラブル』木村涼子・他
こちらは昨今のジェンダー・フリー・バッシング(フェミニストたちに言わせればバックラッシュ)に対してフェミニスト達が反論しています。
ただ、おそらく深海魚の知識が足りないせいだとは思うんですが、一部理解できていないところもあります。例えば著者たちは制度や慣習による性別役割分業の押し付けは否定、個人が従来的な性別役割分業を選択する分にはその人の自由、という立場だと思うんですが、それが両方とも「性別役割分業」という同じ言葉で表されているため気をつけて読まないと混同してしまいます。そこがバックラッシュ派に「あいつらは個人の選択の自由といいながら性別役割分業に従う自由だけは取り上げている!」といちゃもんをつけられる原因になっているのではないかと。
第3章(岡野八代氏)の「憲法の下の法律というのは個人が権力に個人の尊厳を奪われないための堤防として築かれたものだ(意訳)」というのは目からウロコでした。憲法が国民から国家への命令だというのは当たり前の話ですが、その下の法律まで同じように考えることも出来るんですね。
オススメ度:★★★☆☆

ここまで読んだところで、ジェンダー・フリーの勉強をするのに反ジェンダー・フリーと反・反ジェンダー・フリーの本しか読んでいないのは間違っていることに気付きました。
どなたかジェンダー・フリー推進の立場とフェミニズムから見たジェンダー・フリー批判の立場から書かれた良著があれば教えていただけるとうれしいです。
ところで、こういう本を読んで気づくのは、匿名の人たちが交わすネット上の議論がちょくちょく反映されているんだよね。案外、物を言うのって無駄ではないんだなと思いました。



■ひとまずこんなところです。でもでも、キューティーとケラも買いたいし、コミックで読みたいのもあるし、久しぶりに「発達」とか「遺伝」とか昔興味持っていた分野の本も読みたい。医学書とかも、ちょっと胸キュンじゃない?

↓ええ加減にせえよ、と思うあなたはコチラ
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